「I have a finger injury. (指を痛める)」という英文を見たのですが、「finger」と「injury」の間に「of」は必要ないのでしょうか?「of」の使い方と、前置詞を使うタイミングについて少しご説明いただけますでしょうか?よろしくお願いいたします。 |
今回は、読者さんから届いた質問にお答えします!
まず最初に、今回の例文「I have a finger injury」の解説から。
「Injure」は「怪我をする / させる」という意味の動詞ですが、「Injury」は「怪我 / 負傷」という意味の名詞です!そのため、「Finger injury」も「指を怪我した」という意味ではなく、正確には「手指傷害」という病名のことになり、例文の日本語訳も正確には「私は手指傷害を患っている」となるんです。
「指を怪我している」という意味で使うなら「I have a injured finger」の方がニュアンス的にはあっていると思います。
それでは本題に移りますが、「Finger」と「Injury」の間に「of」が入らないのはなぜでしょうか。
第1の理由は、「Finger injury」がそれだけで「手指傷害」というひとつの名詞だから。
第2の理由は「of」の使われ方にあります。「of」の主な用法は、「部分 of 全体」「所属 / 所有」「体現 / 特徴」「分量」「材料」「原因」の関係で前後をつなげることで、基本的に「A of B(BのA)」と日本語訳します。
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■ 部分 of 全体
例)Top of the mountain(山の頂点)
「山」全体の「頂点」という一部分
■ 所属 / 所有
例)Universal Studio of Japan
「日本」に属する「ユニバーサルスタジオ」
■ 体現 / 特徴
例)Man of action(行動力のある男性)
「行動」を体現したような「男性」
■ 分量
例)A cup of tea(一杯の紅茶)
「全体の一部」というイメージからの派生
■ 材料
例)Made of wood(木で作られている)
「全体の一部」というイメージからの派生
■ 原因
例)He died of cancer(彼はガンで死んだ)
これは例外的な使い方。「died of ~」以外ではほとんど使われません。
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仮に無理やり「Finger of injury」とした場合、これは上記の「体現 / 特徴」に近い使い方となるため、「怪我の如き指」といった感じの意味になってしまいます。(魔法の杖を「Wand of magic」と訳すようなイメージ)もちろん意味が通じないため、ここでは「of」を使いません。
このように、「of」をはじめとする前置詞は簡単そうに見えて結構深い意味があります。間違わないように、正しく使っていきましょう!
日本ワーキング・ホリデー協会
KOTARO